世界遺産・万里の長城を巡る旅「金山嶺長城」
万里の長城といえば八達嶺が有名すぎて、万里の長城といえば八達嶺長城というイメージがありますが、実はもっとたくさんの万里の長城の観光地があります。
金山嶺長城もその観光地のひとつで、中国でも最近観光誘致に力を入れていますが数年前までは中国人ですらほとんど行かない場所のひとつでした。
それもそのはず。金山嶺長城に行くには車で行くしかないのです。八達嶺長城は電車や路線バスで行けるのですが、普通の観光客が金山嶺長城に行くためには、ツアー会社に申し込むかタクシーで高額な料金を支払うしかありません。
中国でも自家用車が定着するまでは行きたくてもなかなか行けない場所が金山嶺長城でした。
それでも自家用車があたり前になりつつある近年は、高速道路沿いにあることから観光地として注目を浴びつつあります。
私は中国の友人がチャーターしてくれた車で金山嶺長城に向かいました。北京市街地から東へ150kmぐらい、車で3時間といったところでしょうか。高速道路があるとはいえこの距離も観光客を遠ざける要因のひとつです。
観光客が増えてきたとはいえ八達嶺長城とは雲泥の差です。ちょっと人の多いハイキングコースぐらいの感覚ですので、混雑して歩けないということもありません。何よりもちょっと遠くまで歩くと人がいない状態になるので、万里の長城の景色を独り占めできてしまいます。
以前は司馬台まで歩けたのですが、いまは大掛かりな補修中でその雄大な姿を遠くに見ることしか出来ませんが、遠くから見るだけで十分な迫力です。最大傾斜85度の場所もあるそうです。もはや垂直ですよね。
金山嶺長城もそれに負けず劣らずの急勾配があり観光客も汗を流しながら歩いています。世界遺産を自分の足で踏みしめながら歩けるなんてなかなかできない経験ですよね。しかも抜群の景色がそこにあります。
金山嶺長城はわざわざここまで来る価値のある場所です。観光客だらけの八達嶺長城もにぎやかで嫌いではありませんが、静かに歴史を感じたいと思った時には、人混みのない地方の万里の長城がおすすめです。