世界遺産・万里の長城を巡る旅「虎山長城」
万里の長城にはもちろん端があります。東の端は2ヶ所ありそのひとつが「秦皇島の老龍頭長城」で、最近まではここが最東端だと思われていました。
ところが調査を行ってみるとどうも北朝鮮との国境にある「丹東の虎山長城」が最東端になるということがわかり、北朝鮮との国境が目の前にあることもあり、虎山長城が注目されています。
その「丹東の虎山長城」に行ってきました。
北京から虎山長城までのアクセスは寝台特急電車で行くのが一般的で、私もそれを選びます。ちなみに中国で長距離の電車の席を確保するのはなかなか骨の折れる作業で、中国語が出来なければかなりハードルが高いと考えていいです。
中国でバスと長距離電車を乗りこなせるようになったら中国旅中級者以上と言っていいでしょう。私も中国語はほとんど話せませんが、どうしても乗りたいという情熱と親切な中国人に助けられいつもなんとか電車で移動できています。
寝台特急ですからもちろん寝台車で、夕方に北京を出発して早朝に丹東に到着します。
丹東駅からはタクシーの運転手と交渉です。もちろん私にはできないので中国人の友人に全部おまかせです。タクシーに乗り込んで30分ぐらいでしょうか。虎山長城に到着です。
ほぼ修復でできた長城なのでものすごくきれいです。そういう意味では建物や長城そのものには価値があまりないかもしれませんが、ここに万里の長城があったという事実が歴史好きにはたまらなくわくわくしてしまうポイントです。
そして何よりも目の前にある北朝鮮が心に響きます。数m先が北朝鮮なのです。日本は島国で海に囲まれて暮らしているので国境を意識することないのですが、あの河の先が北朝鮮なのだと思うとグッとくるものがあります。
国境はありますが、北朝鮮と韓国の国境のように物々しい感じがあるわけでもなく、その国境の川で泳いでいる人もいるぐらいです。北朝鮮と中国の関係がよくわかります。北朝鮮の建物を見ながら、国とはなんなのかを考えたりできるのもこの虎山長城の存在のおかげかもしれません。
虎山長城自体は1時間もあれば歩ける小さいサイズ。それでも向かいは北朝鮮、ここから万里も長城が続くのだと思うとロマンを感じずにはいられない場所でした。