世界遺産・万里の長城を巡る旅「居庸関長城」
北京から一番近いのに日本人がなかなか訪れることのない長城が「居庸関長城」です。その理由は簡単で「タクシーでないと行けないから」です。もしくはツアーですが、北京の万里の長城ツアーはほぼ漏れなく八達嶺長城に行くことになります。
むしろ、八達嶺長城に行くはずがあまりに混雑しすぎててバスが入れないからという理由で居庸関長城に変更になるツアーがあるぐらいです。それでもやっぱり北京から近いというのは中国人にとっては魅力のようで、金山嶺や虎山と比べて圧倒的に観光客が大勢います。
とはいえ、長城の規模もかなり大きいので八達嶺のような身動きがとれない状況にはなりません。駐車場付近は混雑しますが、駐車場から少し離れるとそこまで歩こうという人が少ないからかほとんど人がいなくなります。
北京市街地から車で1時間程度で到着できます。距離は50kmぐらいですので東京から箱根よりも少し近い程度でしょうか。
この居庸関長城は要塞としての役割も果たしていたので、形状が他の長城に比べて複雑になっています。明の時代より前は北京の最終防衛線なので、何重にも城を築くいた結果、いまの形になったのかもしれません。
虎山長城と同じく改修された長城なのできれいすぎる感はありますが、それでも長城が作られた当時をイメージするには十分です。その規模の大きさから歴史的に重要な拠点のひとつだったことが伝わってきます。
誰がこんなもの作ったんだよとボヤきたくなるような急勾配も用意されているのでわざわざ渋滞発生中の八達嶺に行く必要はないです。もっと居庸関長城へのアクセスが良くなればこっちのほうが人気が出そうなのですが、さすがに八達嶺長城は特別な存在かもしれません。
これからも八達嶺長城に行けないときの居庸関長城という位置づけは変わらないかもしれませんが、歴史好きな人や万里の長城にロマンを感じる人は訪れておくべき長城のひとつなのは間違いありません。
居庸関長城は他の長城とは役割も存在感も違うので、単純に比較はできませんが壮大さでは随一の長城として見ておいて損はない長城でした。