イタリアの医療費事情と海外旅行保険

イタリアの医療費事情

イタリアでは、公的医療機関と私的医療機関で医療事情が大きく異なります。
公的医療機関では、健康保険加入者は少ない負担で診察を受けられます。イタリアの健康保険は、外国人であっても比較的簡単に加入が可能です(イタリアで源泉の対象となる給与収入があれば加入可能)。

健康保険加入時に、ホームドクター(主治医)を登録し、まずはホームドクターの診察を受け(無料)、必要な場合に公立病院等の紹介を受けます。
救急病院の場合は、外国人観光客であっても、外来の診察は無料です(入院・手術は有料)。

ただ、イタリアの公立病院では、イタリア語しか通じない病院がほとんどです。医師の中には、英語を話せる方もいますが、その他のスタッフは、イタリア語以外の対応は難しいので、通訳等が必要となります。また、公立病院の衛生状態や医療機器は、あまり良くありません。更に、救急病院では誰でも診察無料ですが、常に混んでいて非常に待ち時間が長いです。

一方、私立病院やプライベートクリニックの私的医療機関では、医療施設・医療技術のレベルも日本と遜色なく、衛生状態も良好です。また、英語が通じる病院も多いです。ただ、自由診療となるため、医療費が高額です。予約も必要です。日本の病院の対応に慣れていると、イタリアの私立病院の対応は、あまり丁寧ではないと感じるかもしれません。

イタリアと日本の医療費比較

イタリアの医療費 日本の医療費目安
初診料 約19,900円(公立)
約26,600円(私立)
2,820円
救急車搬送費用 無料(公営)
約32,500+1kmごと300円(私立)
無料
盲腸治療費 約531,900円 約400,000円
(10割負担の場合)

※金額は、あくまで目安です。実際の金額とは異なる場合があります。

イタリア旅行中の高額な医療費の事例

ホテルで頭痛と吐き気を訴え倒れる。くも膜下出血と診断され36日間の入院・手術。医師・看護師が付き添い医療搬送。

現地での治療費:約23,140,000円(搬送費用含む)

自転車搭乗中に転倒。肋骨・鎖骨の骨折と診断され32日間入院。医師が付き添い医療搬送。

現地での治療費:約10,670,000円(搬送費用含む)

倦怠感と胸痛が続き、我慢できなくなり救急車で搬送。ウィルス性心筋炎と診断され21日間入院。救援者として家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。

現地での治療費:約10,030,000円(救援車費用・搬送費用含む)

イタリア旅行における海外旅行保険の必要性

「万人救済」の精神で、外国人であっても、誰でも無料で救急病院の診察を受けられるイタリア。
万が一のことがあったら、公立の救急病院に行けば無料だから大丈夫、と思っていませんか?

確かに、救急病院の診察は無料ですが、入院・手術をすることとなった場合は有料です。イタリア語しか通じません。衛生状態も医療機器も、日本に比べたら良くありません。
やはり、衛生状態の良い私立病院にかかった方が良いと思います。

イタリア国民の中でも、安い公立病院よりも、高額だけど衛生状態・医療機器の良い私立病院での診察を希望する方が多いです。

旅行には海外旅行保険の加入を検討しましょう。海外旅行保険の中には、通訳サービスが付帯されているものもあり、言葉が通じない場合にも安心です。
また、クレジットカード付帯の海外旅行保険だけでは、治療費の補償は不安です。クレジットカード付帯の海外旅行保険の不足分の補償を、別途海外旅行保険で補うことをお勧めします。

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