イギリスの医療費事情と海外旅行保険

イギリスの医療費事情

イギリスは公的医療機関と私的医療機関で大きく異なります。
公的医療機関は、「イギリス国民健康サービス(NHS)」が運営する病院です。こちらの病院では、NHS加入者は医療費が無料です。NHSに加入するためには、GPと呼ばれる家庭医に登録し、まずはそこで受診する必要があります。

GPで診察を受けるために予約が必要で、場合によっては、受診までに数日待つ必要があります。日本のように、当日予約で受診することは難しいのが現状です。更に、GPで受診した後、NHSで手術を受けることとなっても、手術まで数ヶ月待つことが多く、その間に患者さんが亡くなってしまうこともあります。

ちなみに、旅行者等の短期滞在者(6ヶ月未満)はGPに登録出来ないので、NHSに加入できません。GP登録をしていない旅行者等は、私的医療機関(プライベート医療)で受診する必要があります。

プライベート医療は、比較的早くに専門医を受診できますが、医療費の負担は高額です。ただ、プライベート医療には、日本人医師・看護師がいる病院もあり、日本人旅行者にとっては安心です。

イギリスと日本の医療費比較

イギリスの医療費 日本の医療費目安
初診料 約73,900円(私立) 2,820円
救急車搬送費用 無料 無料
盲腸治療費 約1,102,000円(私立) 約400,000円
(10割負担の場合)

※金額は、あくまで目安です。実際の金額とは異なる場合があります。

イギリス旅行中の高額な医療費の事例

バスルームで転倒し胸を強打。翌日の観光中に顔色が悪くなり受診。血気胸と診断され、3日間の入院・手術。現地に、家族が救援者として駆けつける。

現地での治療費:約5,840,000円(救援者費用含む)

買い物中に転倒し、大腿骨骨折。約10日間の入院。その後、医師と看護師に付き添われ、日本の病院へ移送。

現地での治療費:約5,250,000円(搬送費用含む)

イギリス旅行における海外旅行保険の必要性

イギリスに旅行中、万が一のことがあったら、高額なプライベート医療の受診が必要になります。
安心して旅行へ行くためにも、やはり海外旅行保険への加入が必須ですね。

クレジットカード付帯の海外旅行保険もありますが、それだけでは、やはり不十分ではないでしょうか。クレジットカード付帯の海外旅行保険では、治療費用も補償は200万円までとなります。高い医療費が必要となれば、200万円では不足するかもしれません。

海外旅行保険が付帯されたクレジットカードを複数持っていれば、それぞれのカードの治療費用の補償額は合算されます(例えば、治療費用の補償額が、200万円のカードと100万円のカードを持っている場合、治療費用の補償額は300万円となります)。しかし、補償が十分になるほどたくさんのクレジットカードを所有している方は多くないでしょう。

クレジットカード付帯の海外旅行保険があっても、補償を厚くするために、別途海外旅行保険への加入をお勧めします。

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